2010年 7月 29日
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2009年 10月 23日(金曜日) 09:00

ECで売上アップ術「パレートの法則とABC分析」

Written by Hideo Konishi
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ECで売上アップ術「売上情報の回帰分析」に続き、いくつか他の分析手法をご紹介しましょう。ABC分析です。

優先判断材料としてのABC分析

ABC分析は重点分析とも呼ばれ、点数が多いものに関し、ある評価軸に基づき「重要なもの」の順に並べて施策の優先順をつけよう、という意図があります。ABC分析というものには実はもう一つ「活動基準原価計算(Activity Based Costing)」があり同様に呼称されますが、今回は前者の重点分析について述べたいと思います。

経済学において、結果の大部分は結果を導く集合の一部の要素が生み出しているという法則が存在し、これをパレートの法則と呼びますが、例えば「全商品の総売上額の大半は、一部の売れ筋商品がもたらしている」という現象を表したものです。80:20の法則等、類似の事象を表す表現もあります。つまり「売れ筋商品をいかにしてもっと売るか、もしくは売れなくならないようにするか」ということが「全売上の確保」に繋がる、という活動指針と言えるわけですね。経営戦略で言うところのCSF(主要成功要因:Critical Success Factors)と同様の考え方です。

実際の応用例としては、上記のような売上管理や在庫管理、品質管理やマーケティングなどにおいて適用されているようで、ABC分析の例示としても多く見られます。品質管理で言うパレート分析、生産管理のPQ(Product Quantity)分析や在庫管理のIQ(Item Quantity)分析も同じものです。

例えばどうやるのか

ABC分析の「ABC」とは、重要度を任意の指標に基づいてA, B, Cの三つに分類しようというところから来ています。具体的には、最重要とみなすA区分を評価指標の累積構成比上位70%~80%、B区分を90%~95%、残りをC区分と分類します。この比率自体は決まった値とされているわけではなく、上述のレンジで分析対象や仮説によって75%や80%になったりします。

一つ具体例をご紹介しましょう。今、ある店舗の売上情報が手元にあるとします。商品名、単価、販売点数、売上の4列、商品はA~Oの15品目(行)の表です。売上を効果的に伸ばすためにどうしよう、と考えたとき、売れ筋商品に関してもっと工夫したらどうか、という仮説が浮かびます。そこで商品ごとの売上を評価してみることにします(下の挿絵をご覧ください。クリックで拡大します)

  • 商品の売上の列を降順で並び替える
  • 売上の右に2列追加する
  • 売上の右の列に「=(商品毎の売上)/(売上合計)」を計算させる
  • 一番右の列に「比率累計」を計算させる

この「比率累計」まで求めた表を「ABC分析表」と呼びます。ここまでできたら、比率累計の列に着目しましょう。この例では比率累計75%までをA区分、90%までをB区分とします。すると、

  • A区分:商品G, B, H, M, D
  • B区分:商品O, K, J, N
  • C区分:商品E, F, I, A, C, L

…となっていますね。横軸に商品名、縦軸に比率累計をとってグラフ化したのが最後の挿絵です。このグラフを「パレート図」と呼びます。結果、この例ではG, B, H, M, Dを優先して販促策を採ろうか、という実施案が浮かびますね。

分析は多角的に

今回の例示では上記のように仮説を進めることができました。ただ元の売上表をもう一度見てください。販売点数の列もありますね。同じことを販売点数でやったらどうなるんだろう、とか、商品毎の販促費を切り口にしたらどうなるんだろう、など、実際のアクションに結びつけるにはまだまだ多くの「?」があります。これらを総合的に判断し、最適と考えられる施策を採るようにしましょう。

例示は品目が少なかったこともありあまり目につきませんでしたが、必ずしも「売上が多い=重点」ではありません。例えばマーケティングにおいては売上が0もしくは僅少の商品に関しても着目しABCZ分析という見方をするシーンもあります。なぜ売上が0なのか、今回は定量的なデータだけでできた表ででしたが、例えば商品ごとの顧客層や地域などの情報が付随していたらどうでしょう。売れる理由や売れない理由がもっとイメージできるかも知れませんね。

また、冒頭でもご紹介したように、CSFと類似するのであれば、もっと定量的にKGI(重要目標達成指標)やKPI(重要業績評価指標)といった指標に落としこんでみるのも有意義だと思います。

他にもこんな応用が

ABC分析の例示としては一般的なものを挙げましたが、他にもこのコラムをご覧いただいている方向けには、ホームページへの集客施策の検討手段としても有効なのではないでしょうか。LPOライクなアプローチですが「来訪者がどのようなキーワードでやってくるか」を分析し、ランディングページの工夫や商品ページの情報拡充を行なう、というものです。

Google Analyticsなどの解析ツールを使いキーワードと閲覧開始ページとを取得し、同じようにABC(Z)分析を実施します。その上で、

  • 重要なキーワードに係るページコンテンツを拡充する、もしくはリンク構造を再考する
  • 少ないキーワードのうち、訴求やサービスと関連すると考えられるものに関して(文字通りのロングテールとして)SEOを行なう

…ようなイメージですね。回帰分析等と同じく教科書に出てくる基本的な分析手法ですが、それだけにちょっと工夫すると様々な局面での活用ができると思います。

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