現象分析手法には様々なものがあり、それぞれ活用するシーンや考え方が異なります。しかもどれを取っても難しそうな呼称…ABC分析、回帰分析など…が付いており、中には尻込みしてしまう人もいるかも知れません。
でも、それらの考え方だけでも覚えておくと、意外に役に立つケースに出くわすことが多いものです。名前のほか「何を調べるための手法だったか」だけで結構ですので是非覚えておきましょう。そうすれば、後から調べて実践することもできます。
RFM分析とは「優良顧客を見分けるための手法」
今回はRFM分析です。RFMとはそれぞれ最新購買日、購買頻度・回数、購買金額のことを意味し、Recency, Frequency, Monetaryの冒頭一文字を取って「RFM分析」と呼称します。
Recency:最新購買日
ある顧客が最後に商品を購入した日はいつか、を評価します。何年も前に購入した顧客よりも最近購入した顧客の方が良い顧客とする考え方です。
Frequency:購買頻度
ある顧客がこれまでに何回来店し商品を購入したか、を評価します。頻繁に購入する顧客ほど良い顧客とする考え方です。お得意様パラメータ、ということで、顧客満足度の一つの指標とも考えられますね。
Monetary:購買金額
ある顧客の購買金額の合計で、一定期間における客単価の累計を評価します。この金額が大きいほど良い顧客する考え方です。ロイヤリティですね。
…このように、ここの評価軸を見てみるとどれも至極ごもっとも、というものばかりです。RFM分析、とひとまとめに表現するからには、これら3つの評価軸を組み合わせて多面評価しよう、というところが要になります。もちろん「最も優良な顧客」は「直近に至るまでちょくちょく買ってくれて、累計金額も大きな顧客」ですね。
例えばどうやるのか
RFM分析では上記のように3つの評価軸に基づき優良顧客を判断しますが、単純に日付、回数、金額を比較するのもイメージしにくいと思います。そのため、通知表のように各々の項目を5段階とか7段階にランク付けして分かりやすくします。このためRFM分析はRFMスコア法とも呼ばれます。
売上集計を使ってRFMスコアを組み立ててみましょう。例として右の挿絵を左から順にご覧ください(クリックで拡大します)
図は上から順に、1. R/F/M各スコアの定義(単位人数)、2. RFMのランク別人数(単位人数)、3. RFMのランク別人数構成比(単位%)です。RFMのランク付けは5段階評価としました。
RFM分析から見えてくるもの
今度は、R/F/Mの定義は単純ですので、それぞれのパターンごとに推論を立ててみましょう。こんなイメージができるかと思います。
- Rのランクが高い顧客
将来の企業収益に貢献してくれる可能性あり - Rのランクが低い顧客
競合に取られている可能性あり - Rのランクが同じ顧客同士
Fのランクが高いほど常連さん - Rのランクが同じ顧客同士
FやMのランクが高いほど購買力がある顧客 - Fのランクが上がらない、もしくは下がっている顧客
競合に取られている可能性あり
…このほかにもちょっと考えれば色々とイメージできそうです。
業種業態や商品にもよりますが、基本的に注意しなければならないのは「競合に取られているかもしれない顧客」のケアです。このカテゴリに分類される自社顧客が最近増加傾向にある場合は一大事です。気配を察知したら直ぐに原因を特定し、何らかの営業アクションを起こす等の対策が必要です。ほかFのランクが低い顧客が多い場合、それは新規顧客が少ない、とも考えられますので、開拓のための施策を採る、といったことが想像できますね。
さて、オンラインショップなど実際に運営されている方にはイメージしやすく、かつ分かりやすい指標を見せてくれるのがRFM分析ですが、本来はここから少なくともR-F, R-M, F-Mのようなクロス集計まで行ない、顧客動向の概観を把握し、現実の販売戦略へと落としこんで行きます。クロス集計に関してはまた別途ご紹介いたしましょう。




